此処は九龍城砦。
切れかけの電灯にカビ臭い路地裏、うるさい隣人、すべてに懐かしさを感じるこの街で、30代の男女が紡ぐ不思議なラブロマンス。
今回紹介するのは、大人の恋と驚きの展開に心拍上昇必須の作品「九龍ジェネリックロマンス」です。
※この記事にはネタバレが含まれます。苦手な方は、目次から「作品情報」、「登場人物・あらすじ」、「おわりに」を選択するとネタバレせずにこの記事を読むことができます。
作品情報
九龍ジェネリックロマンス
タイトル:九龍ジェネリックロマンス(くーろんじぇねりっくろまんす)
【 ☐小説 ☒漫画 ☐アニメ 】
・単行本既刊5巻(2021年8月現在)
・週刊ヤングジャンプにて2019年11月連載中。
・マンガ大賞2021 第9位
・このマンガがすごい!2021 オトコ編第3位
著者:眉月じゅん(まゆづきじゅん)
・代表作:「恋は雨上がりのように」
登場人物・あらすじ
登場人物
- 鯨井 令子(くじらい れいこ)・・・不動産屋で働く32歳。スイカとたばこの組み合わせが好き。
- 工藤 発(くどう はじめ)・・・鯨井の同僚。”八”をみかけると触ってしまう癖がある。
あらすじ
切れかけの電灯、カビ臭い路地裏、うるさい隣人。そのどれもになつかしさを感じる街、九龍。
ノスタルジーあふれるこの街で、不動産屋に努めている鯨井令子は、同僚の工藤発のことが気になる。
工藤のほうは、鯨井のを特別視している様子はなく、相変わらず雑で鈍い。
一方そのころ、九龍では人類の新天地、ジェネリックテラの開発が進んでいた。盛り上がりを見せる九龍の人々とは反対に、計画を不審がる工藤。
鯨井の恋は?九龍の行方は?
恋とミステリーが交じり合う九龍を舞台に、働く男女の理想のロマンスがここにあり!
ストーリー
一巻「間違えた」
東洋の魔窟、九龍城砦で不動産屋で働く鯨井令子は、同僚の工藤発のことが気になる。
しかし、スイカとたばこの組み合わせが好きだと告白する鯨井に、
「同じ癖を持つ人を知っている」と、どこか意味深な表情で答える工藤。
また、工藤馴染みの喫茶店では、以前も女性と訪れていたことを耳にする。
心の距離が縮まらないことを感じながらも、鯨井はどんどん工藤を好きになっていく。
そんなある日、鯨井が内見から戻ると職場のソファーで工藤が昼寝をしていた。
起こそうと思い、近づき声をかける鯨井。
すると、薄っすら目を開け、微笑んだ工藤は、とつぜん鯨井を抱き寄せ優しくキスをした。
動揺する鯨井に、ようやく目を覚ました工藤は、
「悪い、間違えた。」
と一言だけ告げ、去っていった。
次の日、昨日のことが頭から離れない鯨井に対して、すっかり忘れてしまったかのような態度の工藤。
工藤が休憩に出ている間に、ふっとデスクに目をやると、そこには一枚の写真が挟まっていた。
鯨井は確信していた。そこには「間違えた」相手が写っていると。
自分と癖を持ち、優しく微笑み抱き寄せた女性がいると。
工藤が写ったその写真、引き出してみると、そこにはありえない人物が写っていた。
鯨井令子
工藤の隣で笑顔を見せるその女性は、間違いなく、鯨井だった。
しかし、鯨井本人には全く記憶が無い。
いったい彼女は何者なのか?
写真の女性のそっくりな鯨井に、今までどんな気持ちでいたのか?
ラスト数ページで急展開を迎える一巻です。
おわりに
九龍城砦×ラブロマンス×ミステリー
の新感覚、だけど懐かしさを感じる不思議な漫画です。
つまらない日常にスパイスが欲しい方、ドラマチックな展開が好きな方は必読です。
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