映画【漁港の肉子ちゃん】レビュー&原作者:西加奈子小説おすすめ5選

作品紹介

お笑い芸人の明石家さんまさんが企画・プロデュースを務めるアニメーション映画「漁港の肉子ちゃん」が2021年6月11日に公開されました。主役の「肉子ちゃん」の声を女優の大竹しのぶさんが勤め、元夫婦の共演ということもあり話題になっていますよね。

本作品は作家の西加奈子さんの同タイトル小説を映画化したものです。さんまさん自身、西さん作品を全部読むほどの大ファンで、今回映画化した「漁港の肉子ちゃん」には特に感動したそうです。

実は筆者もさんまさんと同じく、西さん作品を全部読むほどの大ファンで、映画が公開されてすぐに見に行きました。
ということで今回は、映画「漁港の肉子ちゃん」を見た感想と、原作者:西加奈子ファンの筆者が選ぶおすすめ作品を5つご紹介します。

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原作者プロフィール

    西 加奈子(にし かなこ)

  • イラン・テヘラン市生まれ、大阪育ち
  • 2003年に「あおい」でデビュー
  • 受賞歴:2007年織田作之助賞「通天閣」
        2013年河合隼雄物語賞「ふくわらい」
        2015年直木賞「サラバ!」

映画「漁港の肉子ちゃん」あらすじ

明るく豪快で純粋な性格の肉子ちゃんは、ダメ男に恋をしては騙され、恋が終わると各地を放浪して、を何度も繰り返した。娘のキクコはそんな肉子ちゃんと対照的に、大人びていてしっかり者。

そんな2人がたどり着いたのはサッサンという焼き肉屋の店主がいる北の漁港の街であった。「決してお腹を壊さない事」を条件に、サッサンの店で働くことと、船での生活を与えられた2人。「明るいデブ」「似てない親子」といわれても気にしない様子の肉子ちゃんとは反対に、どこか母の存在を恥ずかしいと思ってしまうキクコ。小学校での出来事を通じて成長し、どんどんこの街を好きになっていくキクコだったが、また引っ越すかもしれないという不安をかかえはじめる。

ある晩、肉子ちゃんがコソコソと電話で話している所を見つけたキクコ。電話の相手は新しい恋人!?それとも、、、?

映画「漁港の肉子ちゃん」感想

アニメ化や実写化が苦手な筆者ですが、進んで映画館に足を運んだのは、企画・プロデュースを務めた明石家さんまさんが自分と同じく西さんのファンであるという事が影響しました。筆者は日ごろから映画やアニメをたくさん観ますが、やはり制作側が原作にリスペクトを持っている作品には愛情を感じます。映画「漁港の肉子ちゃん」も、こだわりを細部にまで組んでいるわりには原作の雰囲気が崩れていなかったのは、さんまさんの原作小説を大切にする想いからでしょう。

そして、やはり芸人明石家さんま、映画のセリフに原作には無いボケとツッコミを紛れ込ませています。プロデューサー以前に一人の芸人、そしてそれ以前に一人の人間であることが感じ取れました。さんまさんの人間としてのあたたかさ、芸人としてのユーモアを融合させた映画「漁港の肉子ちゃん」、原作を読んだ方も読んでない方も、笑って泣ける映画となっております。ぜひ観てみてください。

西加奈子小説おすすめ5選

さくら
【あらすじ】
ヒーローと慕われ、家族の中心だった兄は二十歳の時に死んだ。奇行が目立つが超美人の妹は、自分の殻に閉じ籠っている。母は酒に溺れ肥満化し、父は家を出て行った。”僕”は実家から離れた東京の大学に入った。それからサクラという老犬が一匹。これが”僕”の家族構成だ。
今にも崩れそうな家族を繋ぐ「サクラ」が起こす奇跡の一夜の物語。

サラバ!
【あらすじ】
問題児の姉をもつ歩は、周囲に溶け込むのが上手だ。石油会社の駐在員の父親に、娘とのあいだに壁がある母親。ある日父の仕事でエジプト・カイロに移住することに。歩がエジプトで出会った少年ヤコブとは?そして、日本に帰国した歩を待ち受ける日々とは?一人の少年の37年間を描いた物語。

円卓
【あらすじ】
こっこ(渦原琴子)は「孤独になりたい。誰からも理解されず、人と違う自分をもてあまし、そして世界の隅で、ひっそりと涙を流していたいのだ。」そんなこっこは小学三年生で大家族の末の子。クラスメイトが眼帯をしていた時は誰よりも憧れの眼差しを向けたし、珍しい”三つ子”であるにも関わらず、いたって「普通」の態度でいる姉たちに腹が立った。”平凡”や”幸せ”に反発する少女が成長する物語。

i
【あらすじ】
シリアで生まれた少女は、ニューヨークに渡りアメリカ人のダニエルと日本人の綾子夫婦の養子として迎えられる。アイと名付けられた少女は、自分が恵まれた環境にいることを受け入れられずにいる。日本の高校へ通うことになったアイは最初の授業で数学教師が言った言葉に大きな衝撃を受ける。「この世界にアイは存在しません」

きりこについて
【あらすじ】
両親からたっぷりの愛情を注がれたきりこは、自分が「可愛い」という事を微塵も疑わずに育った。小学5年生になったきりこは、好きな男の子に「ぶす」といわれ、強いショックを受ける。自分が「ぶす」だという事を理解できず、悩みひきこもるきりこ。そんな彼女を励ますのは、小学校の体育館裏できりこが見つけた黒猫のラムセス2世だった。とても賢いラムセス2世は、人の言葉を覚え、きりこに声をかける。ラムセス2世に背中を押され、外に出たきりこを待てっていた世界は、、、?

おわりに

今回は作家の西加奈子さんの作品をご紹介しました。
筆者が西加奈子作品を大好きな理由の一つが、「これは私の物語だ」と思わせてくれるからです。もちろん、お会いしたことのない西さんが、筆者をモデルに小説を書いているわけは無いのですが、そう思わずにはいられないほど登場人物が自分と重なるのです。

例えば、漁港の肉子ちゃんでは、少し目立つ母親を恥ずかしく思うキクコ、誰かの秘密を自分だけのものにしたいキクコ、良い子のふりをする自分を嫌な子だと思うキクコ。キクコはまるで幼少期の自分で、彼女の悩みはそっくりそのまま当時の自分が抱えていたものなのです。そして、物語の中の「私」が救われることで、自分も救われた気持ちになります。西さんの作品にはそういった、誰もが記憶の中に眠らせている少し複雑な気持ちを、拾い上げ、救う力があると思います。
今回紹介した作品にもきっと、皆さんの中の「私」が登場していることでしょう。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。このブログでは、小説、映画、漫画、アニメといった皆さんのくらしを豊かにするコンテンツを紹介しています。少しでも参考になったら幸いです。

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